自己顕示欲と承認欲求
タレントのローラさんが自称「起業家」と名乗ったことには衝撃を受けた。
芸能界で「天然ボケ キャラ」の座席が空いていた時代に入り込んだ彼女は、教科書通りのやり方でインフルエンサーの特権を活かし、社会を動かす力を手にした。
やりたいことは後、まずは知名度を上げるのが先
これが現代ブランディング論的には教科書通りのやりかたと言われている。
ソーシャルメディアが盛んになり従来のテレビとは異なるインタラクティブな関係性が成り立った今、投げかけたことに対してレスポンスが起こる「生きた情報交換」が私たちを たちまち 虜にしている。
SNSを通じ、自分が何を買った、どこへ行った、どんなことを感じたという発信が他者から評価される仕組み自体は悪いものではないが、いつしか「評価されるために何をすべきか」というマインドに変化していることに気付いているのは一部の人間だけである。
これは提供する側も想定内なのだろうが、人々の自己顕示欲(社会に対して自己を強くアピールしたいという欲)と承認欲求(社会から認められたいという欲)を見事に逆手に取ったサービスとなってしまった。
今はお金と同じくらい「いいね!」の数が人々の快楽になっていると言って過言ではない。
筆者が拡散力の劣る一方的なブログに10年以上もの間 拘るのは他でもなく、必要なものを必要な人に見てもらえれば良いという意識が強いからである。
その他 Instagramも愛用しているが、あちらは弊社の広報担当に任せた完全なお遊び。
割り切って双方を楽しんでいる。
世の中が急速に変化していることに ここ数年で気づかされることは実に多い。
例えば団塊の世代が「お金を貯めるなら郵貯へ」と子供たちに言っていたが、その世代は今40~50代。
経済学も その時代その時代で学びなおさなければならず、保険・学資・投資・ローン・不動産の知識もブラッシュアップが必要言われている。
「いつかはクラウン」とトヨタの名車が憧れの代名詞となっていた時代があったが、車産業に限らずミュージックシーンも「青春の一曲は?」と問われても世界中に楽曲が在りすぎて昔であれば「裕次郎!」「瀬戸の花嫁!」であったが、今は「ワンオク!」「米津!」とはならず、選択肢が多すぎる現代は票が割れ価値観も多様になり何でもありの時代となってきた。
まだ30年余りしか世を見ていない筆者が時代の変化を感じると言えば浅はかではあるが、確かにここ数年の変化は著しい。
その大きな要因がメディアの変化にある。
真実がブラウン管を通すことで屈折して市民に届いた虚実。
真実が盛りに盛られて過大広告となって世間を騒がせる現代のSNS。
「無い」は「有る」をカバーできないが「有る」は「無い」を知恵でカバーすることができる。
どちらも弊害はあるものの、人々が頭を働かせさえすれば後者のほうが正しい情報を精査し、取捨選択できる時代となったことは明らかである。
人の欲求モデル(欲求のピラミッド)から見ても分かるように、承認欲求は他人がいなければ成り立たないものであり、その上の自己実現欲求に向かって多くの方たちがエネルギーを費やす社会へと発展することを切に願う。
その為に何が必要だろうか。
答えは簡単。
「愛」である。
満たされるためのお買い物は、満たされるためのSNSへ。
「いいね」を待たず、ここに在る健康で健全な心身に感謝をしよう。
追記:
今週は3名の方のEQカウンセリングを担当させて頂きました。
皆さんの明るく前向きな日々を応援しております。
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